【大学院留学準備】専攻の決定から志望校の決定まで5ステップで徹底解説!

大学院留学

アメリカの大学院に進学しようと決めたものの、なにから始めていいかわからない!

そうお悩みの方は多いのではないのでしょうか?

この記事では、そんな方に向けて専攻の決め方から志望校の決定まで、大学院留学の準備方法を徹底解説します!

この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの純日本人。

日本の大学を卒業後、アメリカに留学。コミュニケーション学(文系)修士号取得。

進学しませんでしたが博士課程は3校出願し、2校合格、1校補欠合格。

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手順は以下の5ステップ。

  1. 専攻を決める
  2. 留学先に求める条件を洗い出して、優先順位をつける
  3. 専攻したいプログラムを探して特徴や募集要項をまとめる
  4. 専攻したいプログラムがある学校の州や地域について調べる
  5. 大学院カルテを作り、志望校を絞る

留学はエージェントを通さないといけない・日本の大学院に入学してからそこを通じて留学しないといけないと思っている人がいらっしゃいますが、そんなことはありません。

大学院のウェブサイトには募集要項が書いてあるので、自分の行きたいプログラムの募集要項を調べて必要書類を提出し出願料を払えば、応募ができます。

ただし、自分で手探りでやると大変なので、お金に余裕のある方はエージェント利用をおすすめします。お金にあまり余裕がない方でも、応募に必要な志望理由や履歴書などの書類の添削だけでも有料でお願いすることをおすすめします。

それでは早速大学院留学の準備のしかたについて説明していきます。

専攻を決める

私の場合、留学することは決めたものの日本の大学では英語専攻という幅広い学問だったので、大学院で何を専攻するかとても迷いました。

もしあなたがもう何を専攻するか心に決めているのであれば、ステップ1は飛ばして大丈夫です。

専攻の決め方の流れは、以下の通りです。

①卒業後の進路を決める(就職または研究を続ける)

②プログラムを探す

ちなみに文系の方はちょっと戦略が必要です。なぜなら、就職するなら文系で院卒はアドバンテージにならないことが多く、研究者になるにしても文系はあまり需要がないからです。

大学院卒業後の進路を決めよう

大学と違って、大学院の専攻を選ぶ際一番大事にするべきことは

大学院卒業後どうするか??

これに尽きます。

日本で大学に行く目的って、専門的な知識を学ぶためというより就職のために大卒という肩書きを得るためという人が圧倒的に多いと思います。

でも、大学院はより専門的にその分野に精通することになるので、卒業後就職の際その道のスペシャリストとして見られます。

なので、大学よりも大学院卒の方の方が、より専攻分野とゴールが結びついていないといけません。結びついてない場合は、就職ができないことさえあるので入学前にある程度キャリア設計をしておくことが重要です。

卒業後の進路ですが、大きく分けてコーポレート(就職する)か、アカデミア(研究を続ける)かに分かれます。

どちらの進路においても、特に文系の方は注意すべきことがあるのでご紹介します。

コーポレートに行きたい場合

もし就きたい職業があるのであれば、その職業に必要な専攻と学位を調べましょう。無ければ、逆の発想で、自分が学びたい専攻だとどんな仕事があるかをリサーチしましょう。

理系の方に伝えたいことはこれだけです。(笑)

文系の場合、就職する際に必要とされている専攻というのは正直あまりないです。(あったら例外として紹介するので教えてください。)

むしろ、日本での就職では不利に働いてしまうことさえあります。

なぜなら、日本で新卒で就職する場合、理系であっても文系であっても、大学院を出ていれば「院卒」という給料になります。

文系で院卒だと、学部卒より給料を多く出さないといけない割に利益に直結する仕事がないため、overqualifiedとされ、就職が難しくなってしまう場合があるんです。

特に文系で博士課程まで取得すると、一般企業への就職の間口はかなり狭くなってしまうので、卒業後に就職先がありそうかはよーーーく調べましょう。

一般的に高卒よりも大卒の方が給料が高いので、てっきり大卒より大学院卒の方が有利だと思い込んでいました。でも、それって専門職の働き口がある理系だけの話みたいです。

補足

ちなみに上記は日本での就職の話です。アメリカでは、給料は全員同じ額からのスタートというわけではなく、その人の経験や資格によって個別に交渉し設定されます。

企業からすると院卒という資格に魅力を感じなければ大卒と同じ給料しか払わなければいいので、その分日本よりは院卒という経歴が邪魔になることは少ないと思います。

ただし、逆に言えば、就職は不利にはならないけど、院卒なのに大卒と同じ給料しかもらえない可能性があるということでもあります。

時間とお金を数年多く投資しているのにゴールが同じなのはちょっと切ないので、院卒であること(大学院で学んだ知識を持っていること)にプラスの給料を支払う価値があると企業に思ってもらえるように見せ方の工夫や就職先を選ぶことが大事です。

院卒であることが一般企業への就活の時にあまりアドバンテージとならない専攻は言語学、文学、哲学、人文科学などです。

まだなんとか就職につなげられそうなのが、心理学、コミュニケーション学、ジャーナリズムあたりだと思います。

演劇、映画作成、MBAのように最終的に論文の発表を目指すというよりは、より実践的な専攻もあるので、就職先によってはこちらは有利に働くかもしれません。

ただし、MBAは社会人経験のある方(もしくは働きながら)が通うのが一般的ですので、大学卒業後にすぐに入るようなプログラムとは言えません。

アメリカには日本にはないプログラムがたくさんあって、見ていて面白いです。例えば、Arizona State Universityの大学院プログラムを見てみると、Women and Gender Studies, World War 2 Studies, American Indian Studiesなどなど。

でも、どれも就職するときに日本の企業側からしたら「給料多く出さないといけないなら普通に大卒の子でいいかな。」となってしまうのが現実だと思います。

アカデミアになりたい場合

大学院卒業後もそのまま学校に残り研究を続けたい場合は、基本的に博士課程を終える必要があります。

私の日本の大学では1人、修士号で教授をしている先生がいましたが、かなりレアケースです。

そもそも、教授を意味するprofessorは博士課程を終えたDoctorのみが名乗れる称号です。ドクターというとお医者さんのイメージがありますが、文系でも博士課程を終えた人はドクターです。

大学院で教授をしたい場合気をつけたいことは、以下の2点です。

  • 大学院卒業後、教授になるための席は空いているか?
  • 需要のある学問か?
ポストの空きがあるか

ずば抜けて賢く、アメリカのように成績優秀であれば学年がスキップできる国においては25、6歳で博士課程を終えることができる人もいますが、だいたいは30歳前後が最短です。

また、博士課程を終えたあと、大学で教授として教えることはそこまで難しくありませんが、アシスタントプロフェッサーといった、終身雇用が約束されていない地位からのスタートになります。

それから終身雇用(tenure)の教授になるには、10〜数十年かかることもあります。それだけ長い間その分野で研究を続けて来た人は、一度教授になるとなかなか引退をしません。

あまり活発でない専攻を選んでしまうと実力があったとしても終身雇用を得ることは難しいです。自分の専攻の教授の席はどのぐらい空いているのか、リサーチをしましょう。

需要があるか

自分の専攻したい分野が需要のある分野かどうかも大事です。

アカデミアの世界は、コーポレートの世界と違って利益を生み出すことが目的ではなく、知識を生み出すことが目的で研究を続けています。

でも、お金がないと研究が続けられないということも事実です。

では、どうやってお金を調達するかと言うと、一番大きな財源は政府や企業からの資金援助です。

ちなみにアメリカで手裏剣を投げるようなジェスチャーを見たら、
このように手裏剣ではなくお金をばら撒いているジェスチャーです。

じゃあ、どうやったら資金援助を受けられるか?それは、需要があるつまり世の中からーーもっというと、お金を出す人たちからーー求められている、有益な知識を作り出している分野であるということです。

就職と同様、こちらも理系の方が需要はあります。技術力は国力にもつながるため、アメリカは非常にお金をかけています。

でも、文系だと国力につながるかというとあまりそうではないため、なかなか資金提供をしていないというのが現実です。

例えばあなたが民族学の研究をしているとします。ある部族に1年密着し研究をしようとするとそれなりにお金がかかります。

その資金が研究費として出してもらえるのか、自腹でやるしかないのか?大きな違いですよね。

なので、資金援助が受けられるような学問かどうかの確認も必要です。

ちなみに需要がある方が、その分野の授業をやっている大学院も多いので、終身雇用の教授になれる確率が上がります。

プログラムを探そう

上記を踏まえて、就職か研究職か決めたとします。

では、次は実際にどんなプログラムがあるのか調べてみましょう。アメリカには日本にはないプログラムがたくさんあります。

この段階では、どの大学院のプログラムに行くか?ではなく、まず、アメリカにはどんなプログラムがあるのか?を調べることが目的です。

とりあえず、プログラムが多くありそうな、大きな大学のウェブサイトを見てみましょう。

例えば、先ほど例に出したArizona State Universityのウェブサイトをお見せしながらどのようにプログラムを見つけるかご紹介します。

ASUのトップページです。上のメニューにある「Academics」をクリックします。

それから下までスクロールしていくと、左下の「Programs and people」に「Degree programs」とあります。

UndergraduateとGraduateが出てくるので、Graduate programsの「Explore graduate program」をクリック。

そうすると、いろいろな学部が出て来ます。

試しに「Business」を選択しました。

なんと、ビジネスだけで90個も!(修士、博士、その他も混ざってますが)

以上が、プログラムの探し方です。まずはどんな選択肢があるか、探してみましょう。

ちなみに1点補足ですが、必ずしも①ゴールを決める②プログラムを探す→専攻決定という流れでなくて大丈夫です。

ゴールを決めて、プログラムを探したものの、就職先がなさそう・・・あまり需要があるわけではないことがわかった・・・ということもあると思います。

その時は、またステップ①に戻って、将来どうするかを考え直してみましょう。

さらにもっと言うと、ここまで読んでやっぱり大学院留学自体をやめよう、と思ってキャリアを考え直すのもありです。

これでステップ1は完了です。次はステップ2に進みましょう。

留学先に求める条件を洗い出して、優先順位をつける

留学先を決めるのは、引っ越し先を選ぶのに似ています。

部屋を探すときには、

  • 最寄駅
  • 家賃
  • 駅からの距離
  • 独立洗面台の有無

といった条件がありますよね。

人によっては、

狭くていいから駅近で治安がいいエリアがいい

であったり、

独立洗面台や浴室乾燥機はなくて良いから家賃を抑えたい

であったり、優先させる条件が違います。

なので、まずは自分にとって留学先を決める大事な条件を洗い出して、次に何を優先させるかを決めましょう。

留学先を決めるにあたって重要な要素(例)

・学費:卒業までにかかる学費はいくらか?
・治安:州全体、学校周辺の治安は危なくないか?アジア人差別が顕著じゃないか?
・物価:消費税はいくらか?物価はどのぐらいか?州によってかなり違います。
・気候:年間を通して暖かいか?冬は雪深いか?
・雰囲気:目まぐるしいスピードで回る大都市か?のどかな田舎か?
・アトラクション:どんな観光地があるか?その土地にしかない食べ物や文化があるか?

上記はあくまでも例なので、他にも条件があれば書き出して、優先順位をつけていきましょう。

例えばこんな感じ。

専攻したいプログラムを探して特徴や募集要項をまとめる

ステップ3では、専攻したいプログラムがある学校を探して、各プログラムについてまとめるという作業をしていきます。

長くなるので、①プログラムを探す②特徴や募集要項をまとめるの2つに分けてご紹介します。

プログラムを探す

プログラムの探し方は、以下の5つ。

  • 自分の大学の教授や、その分野に詳しい人に聞く
  • 有名なプログラムを検索する
  • 学会から検索する
  • アメリカンセンターに相談する
  • 留学エージェントに相談する

自分の大学の教授や、その分野に詳しい人に聞いてみる

おそらくほとんどの人が、学部で学んでいた分野と同じまたは関連のある分野を大学院でも専攻すると思います。なので、自分が今教わっている教授や、自分自身の教授じゃなくても通っている大学の教授にメールをするなどして相談させてもらえないか聞いてみましょう。

もしアメリカの大学院についてわかる人がいれば、なおさらいいです。もし教授がアメリカの大学院についてはわからなかったとしても、アメリカの大学院に留学した教え子がいるかもしれません。

教授は毎年毎年新しい生徒を教えることが多いので、人脈をたくさん持っています。特に大学院に留学する方は教授からの推薦状が必要なため、あなたの教授にコンタクトを取っているかもしれません。やって損はないので、教授に相談してみましょう!

有名なプログラムを検索してみる

同じ「コミュニケーション」という分野だったとしても、失礼ですがお金さえ出せば入れるようなプログラムと、コミュニケーション学でかなり権威性のある教授がいるプログラムと、かなり差があります。

入学は簡単だけど卒業したとしてもプラスにならないようなプログラムはやめておいた方がいいです。修士から博士課程に進むときや、就職するとき苦労します。

日本で言えば、名門といえば「ハーバード」「イェール」「UCLA」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、そんなに名は一般的に知られていなくても、特定の分野では名門と言われている学校があります。

私の場合

例えば私の通っていた大学院は修士までしかなかったのですが、北米の修士しかないコミュニケーション学のプログラムでは常に上位にランクインしていました。

ヘルスコミュニケーションやストーカーなどのダークサイドコミュニケーションという分野で著名な教授もおり、他の有名な教授と仲が良かったため、博士課程出願時の個別の問い合わせもしやすかったです。

また、私は博士課程にも出願して2校合格の1校補欠合格をいただいたのですが、出願時の推薦状をそういった有名な教授に書いていただきました。

推薦状は、「すごい人」に書いてもらうことに意義があると言っても過言ではないため、とても有利に働いたと思います。

ですので、ただ単に一般的知名度がある学校ではなく、自分が研究したい専攻で有名なプログラムを探すようにしましょう。

学会から検索する

これは少し難易度が高いのですが、自分が専攻したい分野の学会から、有名なプログラムを見つけ出すという方法もあります。

例えば、コミュニケーション学で言えば、National Communication Association(通常NCA)という学会が一番有名です。

そこには「Doctoral Program Guide」というページがあります。

Screenshot from National Communication Association (https://www.natcom.org/nca-doctoral-program-guide)

スクロールしていくと、

Screenshot from National Communication Association (https://www.natcom.org/nca-doctoral-program-guide)

いろいろな大学が出てきます。その中から、ケンタッキーの大学を選んでみました。

Screenshot from National Communication Association(https://www.natcom.org/nca-doctoral-program-guide/university-kentucky-college-communication-information)

コミュニケーション学といっても幅が広いので、特にどういった分野にフォーカスしているのかという概要を読むことができます。さらに下にスクロールすると、

Screenshot from National Communication Association(https://www.natcom.org/nca-doctoral-program-guide/university-kentucky-college-communication-information)

箇条書きでフォーカスしている分野が書かれていたり、ランクが書いてあります。その下にはさらに、在籍している教授たちの名前が書いてありました。かなり数が多かったので、大きなプログラムなのかなと予想できます。

ただ一点デメリットがあります。

冒頭に、「難易度が高い」と書きました。なぜかと言うと、私はコミュニケーション学を専攻してからこういった学会の存在を知ったからです。さきほど「Communication Association」でググってみましたが、NCAのサイトはぱっとでてこなかったので、入学前に学会の存在を見つけるのはちょっと難しいかもしれません。

そういったときは、ご自分の教授に聞いてみてください。普段授業で言うことは無いかもしれませんが、教授は授業をする傍ら研究をしているので、こういった学会に所属しています。

よく、「学会で研究を発表した」なんてフレーズを聞くことがありますが、それは有益な研究結果があるから発表してほしいと頼まれるわけではなく、関係のある分野の学会の会員になり、研究結果をまとめた論文を提出し、その論文が選ばれたら学会で発表できるという流れです。

教授である以上何かしらの学会の会員になっているはずなので、聞いてみましょう。

Screenshot from National Communication Association (https://www.natcom.org/nca-doctoral-program-guide)

他にもGrant(奨学金)の機会や、いろいろな情報が手に入るので、ぜひ活用できるものは活用してみてください!

アメリカンセンターに相談してみる

一部地域に限られてしまうのですが、EducationUSAが運営している、「アメリカンセンター」を利用してみるという方法もあります。

EducationUSA は、米国国務省・教育文化局(ECA)の支援を受けたネットワークです。世界に400以上あるセンターで、アメリカ留学に関する情報やアドバイスを提供しています。EducationUSAのセンターでは、留学先となる学校の探し方、入学条件や手続き方法、学校の認定制度や出願、奨学金、よくある質問についての回答をご用意しています。また、留学に役立つ様々な説明会を開催しています。電話やEメールでの相談も受け付けていますので、アメリカ留学に関心のある方は、ぜひご利用下さい。

https://americancenterjapan.com/study/#stu-box-5

アメリカンセンターは、

  • 札幌
  • 東京(赤坂)
  • 名古屋(愛知)
  • 大阪
  • 福岡
  • 沖縄

この6箇所にあります。

私は福岡のアメリカンセンターに数回お世話になりました。当日は三越の中にあり、入室するには飛行機に乗る時のようにセキュリティチェックを受け、荷物はロッカーに預けないといけませんでした。

中に入るとたくさんの本で囲まれた図書館のようなオフィスになっていて、いつも行っていた三越からドア1つでなんだか異世界に来た気分でした(笑)

私が行ったことがある当時の福岡のアメリカンセンターには1人女性の方がいらっしゃって、本を借りられたり、留学の相談をすることができました。

でも、その方に聞けばなんでもわかるというよりは、あくまでも入り口のところといった感じで、正直そこまで「有益な情報が聞けた!」という感じではなかったです。

福岡のオフィスしか行ったことがないので他の地域はわからないですし、だいぶ前の話ではありますが、わざわざ遠方から行くほどでもないかな、という印象です。

それよりも、アメリカンセンターが主催している留学イベントのようなものの方が有益な情報が手に入るかもしれません。

とは言え、無料なので、お近くの方はぜひ予約をして行ってみてください。

留学エージェントに相談する

最後は、留学エージェントに相談するということです。資料請求だけなら無料でできますし、会社によっては無料カウンセリングをしているところもあるかもしれません。

1つ会社をご紹介しておくと、私が大学生の時にフランスに留学した際に利用したEFという会社は価格設定が良心的で、良い印象を持っています。

全世界に語学学校も持っており、最近ではTOEICに変わるようなテストも実施していて、大手なので安心です。

ご興味がある方はEF(外部サイト)を見てみてください。

プログラムの特徴や募集要項をまとめる

上記までで、なんとなく良さそうなプログラムが見つかったら、大学院のウェブサイトを見て特徴や募集要項をまとめていきましょう。

主な見るべきポイントは、以下の5点。私が思う、大事な順に並べました。

  1. そのプログラムの権威性(レベル)
  2. 募集要項
  3. 学費・奨学金
  4. 多様性を認める土壌があるか
  5. 生徒のその後の進路はどうなっているか

それでは1つずつ解説していきます。

そのプログラムの権威性

私が大学院選びで一番大事だと思うポイントは、そのプログラムに行って意味があるのか?ということです。

自分の行きたいプログラムがその分野で権威性があるということは、就職するにしても、博士課程への進学や研究を続ける場合にも有利に働きます。

権威性があるプログラムにはその分野で有名な教授が在籍しています。そのようなプログラムに通うことによって、①授業・指導の質が高い②人脈作りができるという2つの大きなメリットがあります。

逆に言えば、この2つのメリットが得られないようなプログラムには、あまり行く価値がありません。その2つがどう大事なのかご説明します。

授業・指導の質の高さ

良いプログラムに通うことのメリット1つ目として、質の高い授業や指導が受けられることにより、結果を残しやすいということになります。

ここで言う結果とはなんでしょうか?それは、研究の成果です。

プログラムやクラスにもよりますが、基本的に大学院の授業は修士も博士も「知識をつける」よりも「知識を作り出す」ことが目的になります。なので、どの授業も学期の最後に学会に提出できるペーパー(論文のことをペーパーと言います)を作り上げることが最終ゴールになっています。

学部までは真面目に授業を受けて、テストや発表、グループワークプレゼンなどで良い点を取るなどして知識を習得することが目的だったと思います。

大学院以降は、もちろん良い点を取らないと単位が取れないことは同じですが、それプラス、新しい知識を学びつつも自分で研究をし、まだ世の中に無い知識を作り出していかないといけないんです。

お金さえ出せば誰でもある学会の会員にはなれますが、学会で発表できるのは、提出した論文が認められた人のみです。ですので、学会に認められるような論文を書けるようになるには、質の高い授業・指導を受けることが近道になります。

人脈作りができる

良いプログラムに通うことのメリットの2つ目は、人脈できるということです。

大学院は1つのクラスが小規模になりますし、ディスカッションが中心となるので、自ずと学部生に比べて教授との距離が近くなります。そして、有名な教授と密にコミュニケーションをとっていたことは将来にとって非常に役に立ちます。

例えば修士から博士課程に進む時に、教授から推薦状を書いてもらう必要がありますが、それが有名な教授からだとかなり有利に働きます。ましてや、推薦状を書いてくれた教授と、応募先に在籍している教授が同士が知り合いだったとしたら、その推薦状はかなり強力になります。

珊瑚
珊瑚

私の通っていた修士プログラムは有名な教授が多く在籍していました。博士課程に応募するとき、そのような教授たちに良い推薦状を書いていただいたことも、合格できた要因だと思います。(結局進学をしませんでしたが。。)

また、もし進学せずに就職するにしても、自分の研究していた分野のトップの教授のクラスにいたということは大きなアピールポイントとなり得ます。

場合によっては仕事を紹介してもらえるかもしれません。文系教授はビジネス的な人脈はほとんどないですが、毎年教え子が増えていくので、結構人脈があったりします。

募集要項を調べる

ちょっとややこしいのですが、大学としてのウェブサイトと、学部としてのウェブサイトがあります。

大学としてのウェブサイトというのは、例えば先ほど例に出したArizona Stateで言うと、Arizona State Universityのウェブサイトのことを指します。

学部自体のウェブサイトというのは、Hugh Downs School of Human Communicationというサイトになります。

全体的なことは大学のサイトを見るのですが、募集要項などは、後者である学部のページを見る必要があります。

Screenshot from Arizona State University’s Hugh Downs School of Human Communication(https://humancommunication.asu.edu/)

これがASUのコミュニケーション学のサイトです。Hugh Downsというのは有名なおじさんアナウンサーの名前から来ているだけなので、気にしないでください。

AdmissionのGraduate Admissionをクリック。

Screenshot from Arizona State University’s Hugh Downs School of Human Communication(https://humancommunication.asu.edu/admission/graduate-admission)

ここではPh.D. Programをクリック。

Screenshot from Arizona State University’s Hugh Downs School of Human Communication(https://humancommunication.clas.asu.edu/degree/graduate/phd-communication–phd)

ここにわかりやすく必要事項がまとめてありますね!

また、下に、「Additional Application Information」と記載があり、外国人は英語能力を証明してね、と書いてあります。アメリカは基本的にTOEFLを採用しています。

TOEFLの必要な点数というのは、この学部だけのことではなく、どのプログラムにも共通していることなので、求められているスコアについては大学自体のサイトの方から見つけましょう。

留学生はあっちこっちみないといけないから大変です。。

ちなみにTOEFLの点数ですが、必要点数さえ超えていれば、それがぎりぎりOKな点か、ほぼ満点かはあまり関係ないそう。必要点数さえとってしまったら後はGRE/GMATの勉強に時間を費やすことをおすすめします!

学費や奨学金

次は、学費や奨学金について調べましょう。自分で検索してもいいのですが、ASUは先ほど「Ph.D. Handbook」というのがあったため、せっかくなので活用しましょう。

クリックすると、PDFが開かれます。

The first page of https://humancommunication.clas.asu.edu/sites/default/files/2021-08/2021-22%20PhD%20Communication%20Handbook%20Revised_v2.pdf

学費は「tuition」奨学金や学費一部免除などの情報は「financial aids」と書いてあることが多いです。Table of contentsが目次というような意味なので、まずはそこをみてみましょう。

The second page of https://humancommunication.clas.asu.edu/sites/default/files/2021-08/2021-22%20PhD%20Communication%20Handbook%20Revised_v2.pdf
https://catalog.asu.edu/tuitionandfees

そうすると、学部のサイトからは離れて、おそらく大学自体のサイトに飛んできました。ここでは、「Fall 2021」を選んでみましょう。

そうすると、金額が出てきました。ASUは区分が3つあり、「Resident」「Non-Resident」「International」とあるので、「International」をみましょう。ちなみにこの「Resident」はもともとアリゾナ州に住んでいる人を指し、「Non-Resident」はアメリカ人だけど他の州に住んでいる人のことです。

https://catalog.asu.edu/tuitionandfees/fall21graduate

日本の大学は、1学期いくら、という払い方をすると思いますが、アメリカは単位ごとに払います。

上の画像のASUの留学生向けの学費を例にすると、1単位で1,639ドル、7単位で10,244ドルとなっています。

私の大学は上記のような表示とは異なり、1単位◯◯ドル、となっており、自分で卒業に必要な単位をそれぞれの学部のサイトで調べて計算していました。

珊瑚
珊瑚

学校ごとに違っているのでめんどくさいですが、学費が払えないと学校に通えないので必ず調べましょう。

※博士課程は学費が免除されることが多いです。

外国人に対して奨学金を出しているところはかなり少ないのですが、たまに現地で活躍した日本人やアジア人が留学生を対象に奨学金を提供していることがあります。

日本で奨学金というと、返さなくていいものと返還義務があるものがありますが、アメリカでは奨学金は返還義務はありません。返還義務があるものは「Student Loan」と言います。

奨学金は「Scholarship」や「Financial aid」という項目に書かれているので、念の為チェックしてみましょう。

多様性を認める土壌があるか

これは完全に私個人の意見なのですが、地味に重要なのが、多様性を認める土壌があるかどうかです。

州や学校によっては、マイノリティが不当な扱いを受ける可能性があります。

アメリカで私たちはアジア人というだけでもマイノリティなのに、外国人ということでさらにマイノリティ度合いが高まります。また、一般的に女性の方が給料が低かったり、管理職になる人が少ないなどということでマイノリティという位置付けになっています。

珊瑚
珊瑚

世間的にはだいぶインクルージョンやフェミニズムムーブメントのおかげで有色人種や女性も活躍する世の中になっていますが、研究者の分野はだいぶ遅れているなというのが私個人の印象です。やはり白人男性の優位性というものを感じました。

じゃあ、どうやってそういったプログラムかどうかを判断するのか?という疑問が湧いてくると思います。それは、その学部のウェブサイトで教授紹介のページを見ることです。

だいたいどのプログラムにも、教授の紹介をしているページがあります。そこをみて、教授の男女比や、有色人種がいるかどうかを見てみてください。全員白人男性だと、ちょっとやりづらい可能性は無きにしもあらずです。

生徒のその後の進路はどうなっているか

この記事を読んでいるあなたは「将来こうなりたい!」という目標があり大学院への進学を考えていると思います。あなたが良いなと思っているプログラムがその目標を達成する手助けになるのか?はとても重要ですよね。

そのプログラムの卒業生がその後どんな進路を送っているかを知ることによって、「進学先を間違えた・・・」となっていまうことを防げます。

珊瑚
珊瑚

例えば、卒業後は大学院での経験を活かし就職したいと思っている人が、(博士課程)進学率80%の修士プログラムに通うのはあまり得策とは思えません。

では、どうやって調べれば良いのでしょうか?

OBやOGに話を聞く機会がある人以外は、そのプログラムに通っている学生をSNSやLinkedInで見つけて聞いてみるか、教授にメールで聞いてみましょう!

各プログラムにディレクターというような肩書きで、出願する学生からの質問に答えたり、入学してからとりしきっているような学生や、教授がいます。そういった人にメールで聞いてみるのもいいと思います。

こちらは「入学したい」ので、立場的に下のような気がするかもしれませんが、こちらもお金を払って学校に通うので、選ぶ権利もあります。

質問メールの受け答えの丁寧さや親切さもプログラム選定の参考になりますね!

専攻したいプログラムがある学校の州や地域について調べる

ステップ4では、自分が行きたいな、と思える学校がある州や地域について調べていきます。

珊瑚
珊瑚

全ての州を調べようと思うと、50個もあるので大変です。なので、自分の行きたい学校があるところだけを調べていきましょう。

調べるポイントは、ざっくり下記を抑えておけば大丈夫です。

  • 全体的な治安
  • 物価(前述の通り、消費税もは州によって違います!)
  • デモグラフィック(アジア人が多いところだと日本のスーパーがあったりします!)

カリフォルニア州のように、州だけで日本より大きいところがあるので、行きたい大学があるエリアについても調べましょう。

例えば私が住んでいたサンディエゴエリアは、

La Jollaは高級エリア

La Mesaは学生が多いエリア

Lemon GroveやEl Cajonは危ないエリア

Kerney MesaやClairemontは日本人が多いエリア

Hill Crestはゲイが多いエリア

San Ysidroはもうほぼメキシコ(雑w)

などといった特徴がありました。

車で行ける範囲でこれだけ違うので、「州」だけで見るには範囲が広すぎます。

必ずご自分の行きたい大学の周辺も調べてみてくださいね!

また、物価についてですが、だいたいの家賃も調べておくことをお忘れなく。サンディエゴはめちゃくちゃ家賃が高くて、一人暮らししようとするとするといわゆる1Kだと1,500ドルぐらいでした。

珊瑚
珊瑚

家賃が高すぎてアメリカで一人暮らしなんて学生には無理・・・!

ステップ4で調べ物は終了です。お疲れ様でした!

次からは、「大学院カルテ」を作り、志望校を絞っていきます。

大学院カルテを作り、志望校を絞る

さて、ここまででかなりの情報が集まったと思います。

ステップ5では、今まで集めた情報をもとに、自分の行きたいプログラムの「カルテ」を作っていき、比較検討し、最大3校に絞りましょう。

まとめ方はひとそれぞれでいいと思います。

私は修士の受験の時はとにかく情報が書いてるウェブサイトをプリントアウトして、それから1つの紙にまとめていっていました。

博士課程のときは、グーグルのスプレッドシートに表を作り、穴埋めをして各プログラムを比較していました。

こんなイメージです。

前者の方法は、ちょっと効率は悪いと言うデメリットはありますが、まだアメリカの大学院のウェブサイトの見方がよくわからない私にとってはわかりやすい方法でした。

一方で、後者は一度大学院受験をしたことがあり受験の流れがわかっている私には効率よく行えてよかったです。

珊瑚
珊瑚

また、そもそも紙に書いた方がわかりやすい方、逆に書き直したり移動したり情報の整理がしやすいペーパーレスがいいという方もいらっしゃると思うので、ご自身がやりやすい方法で行ってください。

また、志望校を3つにと書きました。

受験は多ければ多いほどいいんじゃないの?

と思った方もいるかもしれませんが、私は3校に絞ることをお勧めします。

理由は、実際には、高いGPAを維持するべく、大学の授業も頑張らないといけないし、留学費用を貯めるためのバイトもしないといけないし(これは人によりますが)、TOEFLやGREの勉強や受験もしないといけないし、ビザやI-20の取得などの準備もしないといけません。

それに加えて志望校が増えるとなると、応募に必要な書類は学校ごとに若干違ったり、出願料も増えるので、労力的にも金銭的にも大変になります。

珊瑚
珊瑚

数打ちゃあたる、よりも1つ1つの精度を高める方がおすすめです!

まとめ

私が修士プログラムを受験した時は、周りになかなか同じ境遇の人がおらず、全て手探り状態でかなり苦労をしました。

結果、1回では受からず、1年志望校がやっている大学院準備講座に通いやっと合格することになります。

1年分のお金と年月が無駄になってしまったな・・・と思ってしまったので、これを読んでいるあなたの参考になり、最短ルートで目標達成できる手助けになれば幸いです。

頑張るあなたを応援しています!ここまでお読みいただきありがとうございました。

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